50年ローンの借り換えは合理的?返済額・総返済額・投資をExcelで比較してみた

住宅ローンを借り換えるかどうかを考えるとき、いちばん厄介なのは、話がすぐ感覚論になりやすいことだと思っています。

「50年ローンは危険」
「返済期間を延ばすのは損」
「総返済額が増えるからやめた方がいい」

こういう意見はよく見ます。

でも私は、こういうときほど数字で見たいタイプです。
住宅ローンのように金額が大きく、期間も長いものは、感覚で判断すると後悔しやすいからです。

そこで今回は、実際にExcelでシミュレーションを作って、

  • 今のローンをそのまま返した場合
  • 返済期間を長くして借り換えた場合
  • 差額を投資に回した場合

を比較しました。

結論から言うと、私の条件では借り換えは合理的でした。

ただし、それは「50年ローンは誰にでも得」と言いたいわけではありません。
メリットもデメリットもはっきりあります。

この記事では、実際に私が使ったExcelの内容をもとに、どう考えたかをできるだけフラットに整理します。

先にざっくり自分の条件で確認したい方は、まず簡易シミュレーターを使ってみてください。

住宅ローン借り換え簡易シミュレーター

現在のローン条件と借り換え後の条件を入力すると、返済額と総返済額を比較できます。

現在のローン
借り換え後のローン

今回の前提条件

まず、今回Excelで置いた前提条件を整理します。

  • 現在の年齢:36歳
  • 現在の借入残高:6,650万円
  • 現在の残り返済期間:30年4カ月
  • 現在の金利:1.2%
  • 借り換え後の想定金利:1.08%
  • 借り換え後の返済期間:43年3カ月
  • 諸費用:200万円を借入額に含める前提

今回のポイントは、いわゆる「50年ローン」という考え方で、できるだけ返済期間を長く取ることでした。

ただし、実際には50年ぴったりで借りられるわけではありません。
多くの銀行では「最長50年」かつ「完済時年齢80歳未満」といった条件があります。

私の場合は年齢の関係で、実際の返済期間は43年3カ月になりました。

※ここにスクショ:条件入力シート

この時点で大事なのは、「50年ローン」という言葉に引っ張られすぎないことだと思っています。

本質は50年そのものではなく、
返済期間をどこまで延ばせるか、それで月々の返済額がどう変わるかです。


比較したのはCaseAとCaseBの2つ

Excelでは、シンプルに2つのケースを比較しました。

CaseA:現状のローンをそのまま返し続ける

今の条件のまま、残り30年4カ月返済していくケースです。

CaseB:返済期間を長くして借り換える

借り換えで月々の返済額を下げ、その差額を投資に回すケースです。

この2つを比べた理由は、単純に「借り換えると得か」ではなく、

借り換えによって家計の余白がどう変わるか

を見たかったからです。

住宅ローンは毎月の固定費なので、月々の返済額が変わると家計の自由度がかなり変わります。
そして私は、その余白を投資や家族への支出に回せることに価値があると考えています。


まず返済額と総返済額を比べる

最初に見たのは、いちばん分かりやすい数字です。

  • 月々の返済額はいくら変わるか
  • 総返済額はいくら変わるか

Excel上では、結果はこうなりました。

  • 現状の月返済:約21.8万円
  • 借り換え後の月返済:約16.4万円
  • 差額:約5.4万円減

毎月の返済はかなり軽くなります。

一方で、総返済額はこうでした。

  • 現状の総返済額:約7,936万円
  • 借り換え後の総返済額:約8,527万円
  • 差額:約590万円増

つまり、月々はかなり楽になるけれど、総返済額は増えるという結果です。

※ここにスクショ:結果シート(返済額比較の部分)

ここだけを見ると、「やっぱり借り換えは損では?」と思う人も多いと思います。
その感覚は自然です。

実際、ここは今回のデメリットとしてちゃんと認識しておくべきポイントです。

ここまで読んで「じゃあ自分の条件だとどのくらい差が出るんだろう」と思った方は、このタイミングで簡易シミュレーターを触ってみるとイメージしやすいです。

住宅ローン借り換え簡易シミュレーター

現在のローン条件と借り換え後の条件を入力すると、返済額と総返済額を比較できます。

現在のローン
借り換え後のローン

私が総返済額の増加だけで判断しなかった理由

ここで終わりなら、私は借り換えをしなかったと思います。

でも、今回の検討で私が重視したのは、総返済額だけではありません。

月々の返済が約5.4万円下がるなら、その差額をどう使えるかまで見ないと判断できないと思ったからです。

私は普段からインデックス投資をしています。
住宅ローンの金利が1%前後で、長期の分散積立投資では年利5〜10%程度の期待リターンを見込んでいます。

もちろん、未来のリターンは確定しません。
ただ、少なくとも長期で見れば、住宅ローンを急いで返すより、差額を投資に回した方が合理的ではないかと考えました。

そこで次に、差額投資のシミュレーションを作りました。


差額投資のシミュレーションは「現状ローン完済まで」で見る

ここはかなり大事なので、少し丁寧に書きます。

今回のExcelでは、借り換えで減った月々の返済額を、そのまま毎月投資に回す前提でシミュレーションしています。

ただし、投資期間は借り換え後ローンの完済までではありません。

現状ローンが完済するまでを差額投資の期間として見ています。

理由は、安全側で考えたいからです。

差額が出るのは基本的に現状ローンが残っている期間までです。
その後は、借り換え後ローンだけが残るので、「その先も差額を投資し続ける」という前提にすると危険側の検討になります。

だから私は、簡易シミュレーションでもExcelでも、まずは現状ローン完済までを基準に見ています。

※ここにスクショ:投資シート(差額投資の表)


利回り別に見ると結果はかなり違う

今回のExcelでは、投資の想定利回りを1%から6%まで置いて見ています。

現状ローン完済時点での資産額は、おおよそ次のような結果になりました。

  • 年利1%:約2,285万円
  • 年利2%:約2,684万円
  • 年利3%:約3,170万円
  • 年利4%:約3,765万円
  • 年利5%:約4,494万円
  • 年利6%:約5,388万円

ここでの元本は、毎月の差額約5.4万円を積み立てたものです。
現状ローン完済までの累計差額は約1,956万円なので、利回り1%でもある程度上乗せされ、5%や6%ではかなり大きな差になります。

※ここにスクショ:結果シートの利回り別一覧
※ここに図解:利回り別の資産推移グラフ

この結果を見ると、少なくとも私の条件では、総返済額が数百万円増えることだけを切り取って「損」と言い切るのは違うと感じました。

ここで「じゃあ自分の差額なら、どのくらい積み上がるんだろう」と思った方は、簡易シミュレーターでざっくり確認してみてください。

差額投資シミュレーター

借り換えで返済額が下がった場合、その差額を積み立て投資したと仮定して将来の資産額を試算します。

※ 元金均等が混ざる場合は毎月の差額が一定ではないため、試算のために「初回」または「最終回」の差額を使います。

※ この簡易ツールでは、安全側で確認するため、差額投資の期間は「現状ローン完済まで」を前提にしています。


借換完済時点まで見ると、利回り2%以上でプラス圏に入る

さらにExcelでは、現状ローン完済後に借り換え後ローンだけが残る期間も見ています。

この期間は、差額投資で積み上げた資産を取り崩しながら返済していくイメージです。

借り換え後ローン完済時点での最終的な差は、おおよそこうなりました。

  • 年利1%:約▲121万円
  • 年利2%:約561万円
  • 年利3%:約1,540万円
  • 年利4%:約2,928万円
  • 年利5%:約4,884万円
  • 年利6%:約7,629万円

つまり、年利2%以上なら最終的にプラスという結果でした。

この「プラス」は、借り換え後ローンの支払い増まで含めて見たうえでの差です。
だから、私にとってはかなり大きい意味がありました。

特に5%前後で運用できた場合、借換完済時点ではかなり大きな差になります。

もちろん、これはあくまで平均利回りを前提にしたシミュレーションです。
実際の運用結果は年ごとに上下します。

それでも、「総返済額が増えるからダメ」と単純に切り捨てるのではなく、
差額をどう使うかまで含めて見た方が合理的だと私は感じました。


この利回りの結果をどう解釈するか

ここは誤解が出やすいところなので、私の考え方をはっきり書いておきます。

まず、1%〜6%という数字は「将来こうなると断定する数字」ではありません。
あくまで、どのくらいの前提なら結果がどう変わるかを見るためのものです。

私の解釈はこうです。

1%のケース

かなり保守的なケースです。
この場合は最終的にマイナスでした。

つまり、「投資のリターンをほとんど期待しない前提なら、借り換えの優位性は薄い」と読めます。

2%のケース

ここが一つの境目です。
最終的にプラス圏に入っています。

私はこの結果を見て、「かなり低めに見ても成立する可能性がある」と受け取りました。

3〜4%のケース

かなり現実的にあり得るレンジだと思っています。
このあたりから、借り換え+差額投資の意味がはっきり出てきます。

5〜6%のケース

私が普段の投資で一番意識しているのはこのあたりです。
もちろん毎年こうなるわけではありませんが、長期前提なら十分あり得ると考えています。

このレンジになると、借り換えによる総返済額の増加は十分に吸収できると判断しました。

ただし、ここで大事なのは、高い利回りを前提に楽観しすぎないことです。
私は5%や6%の結果だけを見て判断したわけではなく、1%や2%まで落として見たうえで、なお前向きに考えられるかを重視しました。


私が借り換えを合理的だと判断した本当の理由

正直に言うと、今回の借り換えは「投資リターンが大きいから」だけで決めたわけではありません。

私にとって一番大きかったのは、家計の自由度が上がることです。

毎月の返済が約5万円下がると、単純に家計がかなり楽になります。

そのお金を投資に回すこともできるし、もし資産が十分に積み上がっているなら、家族との旅行や子どもの経験に使うこともできます。

私は、投資は目的ではなく手段だと思っています。

不安を減らすために資産を持つのは大事です。
でも、今しかできないことにお金を使える状態も同じくらい大事です。

今回の借り換えは、その「選べる状態」を作るための判断でした。

【金持ちの定義】年収ではなく「資産」で決まる理由(家族の選択肢を増やす話)

もちろんデメリットもある

ここまでメリット寄りに書いてきましたが、デメリットもあります。

  • 総返済額は増える
  • 完済時期は遅くなる
  • 投資のリターンは確定しない
  • 短期では想定通りにいかない可能性が高い

特に、短い期間でこのシミュレーションを見てしまうと危険です。
投資のリターンは、長期になればなるほど期待値に近づきやすい一方、短中期ではかなりブレます。

だから私は、このExcelを「未来を当てる道具」とは思っていません。
あくまで、どの条件なら前向きに検討できるかを確認する道具として使っています。


もっと詳しく検討したい人はExcel版を使ってください

ここまで読んで、

  • 自分の条件でもっと細かく見たい
  • 現状ローン完済後の取り崩しまで確認したい
  • 利回りを変えて何パターンか試したい

と思った方は、Excel版を使った方が早いです。

簡易シミュレーターはざっくり確認するためのものですが、Excel版ではもっと現実に近い検討ができます。

【ここにExcelダウンロードリンクを設置】


まとめ|私にとっては、50年ローンの借り換えは合理的だった

今回Excelで検討して分かったのは、私の条件では、50年ローンの考え方で借り換えることは十分合理的だということでした。

理由をまとめると、

  • 月々の返済額が約5.4万円下がる
  • 総返済額は約590万円増える
  • ただし差額を投資に回すと、利回り2%以上で最終的にプラス圏に入る
  • 5%前後ならかなり大きな差になる
  • 家計の自由度が上がる価値が大きい

ということです。

もちろん、これは誰にでもそのまま当てはまる話ではありません。
だからこそ、自分の条件でシミュレーションすることが大事だと思っています。

まずは簡易シミュレーターでざっくり確認して、もっと細かく見たい人はExcel版で検討してみてください。

住宅ローン借り換え簡易シミュレーター

現在のローン条件と借り換え後の条件を入力すると、返済額と総返済額を比較できます。

現在のローン
借り換え後のローン
差額投資シミュレーター

借り換えで返済額が下がった場合、その差額を積み立て投資したと仮定して将来の資産額を試算します。

※ 元金均等が混ざる場合は毎月の差額が一定ではないため、試算のために「初回」または「最終回」の差額を使います。

※ この簡易ツールでは、安全側で確認するため、差額投資の期間は「現状ローン完済まで」を前提にしています。

【ここにExcelダウンロードリンクを設置】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です