住宅について調べると、よくこんな議論を見かけます。
「賃貸と持ち家、どっちが得か。」
「マンションと戸建て、どっちが資産になるか。」
YouTubeやネットでも、このテーマはよく話題になります。
そして多くの場合、結論はだいたい同じです。
資産性を重視するなら、都心マンションが有利だという話です。
地方の戸建て住宅は、資産価値が下がりやすい。
売却しにくい。
そういった理由で、合理的ではないと言われることもあります。
金融の視点で見れば、この意見はかなり合理的だと思います。
私自身、資産形成や投資についても勉強してきました。
なので、この考え方には基本的に同意しています。
それでも私は注文住宅を建てました。
そして実際に4年間住んでみて、本当に建ててよかったと思っています。
理由はシンプルです。
私の場合、家を資産を最大化するための道具としては考えていなかったからです。
目次
一級建築士の私が注文住宅を選んだ理由
私は一級建築士ですが、普段の仕事で戸建て住宅を扱っているわけではありません。
だからこそ、自分の家を建てるときは、仕事とは別に一人の施主として向き合いました。
建売住宅も検討しました。
ただ、見ていく中でずっと違和感がありました。
それは、家に自分たちの生活を合わせる感覚です。
建売住宅は、すでにできあがった家にあとから住む人が入ります。
つまり、家が先にあって、人がそこに合わせて暮らす形です。
これは本質的には賃貸住宅と同じだと私は感じました。
もちろん建売住宅は合理的です。
価格や手軽さという意味では、かなり優れた選択肢だと思います。
ただ、一生住む家として考えたとき、私はそこに違和感がありました。
注文住宅は逆です。
自分たちの暮らしに合わせて家をつくることができます。
そこに大きな価値があると思っています。
住宅を資産として考えると答えはある程度決まっている
家を資産として考えるなら、合理的な選択肢はある程度決まっています。
たとえば、賃貸で身軽に暮らす方法があります。
住宅ローンを抱える必要がありません。
家族構成や働き方の変化に合わせて住み替えもしやすいです。
都心マンションを買うという考え方もあります。
立地によっては資産性が期待できるからです。
こうした考え方は、資産形成という視点ではとても合理的です。
だから私は、持ち家か賃貸かという議論自体を否定するつもりはありません。
ただ、その議論はどうしても資産としてどちらが有利かに寄りやすいです。
でも、家はそれだけではないと思っています。
家は資産でもあるけど、それだけではない
家は資産です。
住宅ローンという大きなお金が動きますし、売却すればお金になる可能性もあります。
だから資産性を考えることは大事です。
ただ、家は毎日帰る場所でもあります。
家族で食事をする場所でもあります。
子どもが育っていく場所でもあります。
つまり、家は資産であると同時に暮らしの場所です。
持ち家か賃貸かの議論を資産性だけでやってしまうと、この部分が抜けやすいと思います。
私が注文住宅をよかったと思っているのは、まさにこの暮らしの部分です。
私にとって注文住宅は趣味に近い
私にとって家は、資産というより趣味に近い存在です。
車が好きな人が車にお金をかける。
キャンプが好きな人が道具にこだわる。
カメラが好きな人が機材を選ぶ。
それと近い感覚があります。
家にいる時間が好き。
空間にこだわりたい。
自分たちらしい家に住みたい。
こういう価値観は、合理的な投資とは少し違います。
でも、人生を豊かにする選択肢としては十分にありだと思っています。
注文住宅に4年住んで感じること
私は注文住宅に4年間住んでいます。
その中で一番感じているのは、家に帰るのが楽しみになったことです。
仕事が終わって帰るとき。
旅行や帰省、キャンプから帰ってきたとき。
玄関のドアを開けると、やっぱりこの家いいなと思います。
資産価値だけを考えれば、もっと合理的な選択肢はあったかもしれません。
それでも、今の私はこの家にしてよかったと思っています。
実際に住んでみて、その気持ちは4年経っても変わっていません。
注文住宅にしてよかったと思うポイント
4年間住んでみて、やってよかったと思うことはいくつかあります。
リビング・ダイニング
リビングとダイニングは特にこだわった場所です。
家族が自然と集まる空間にしたかったからです。
実際に暮らしてみると、この場所にいる時間が一番長いと感じます。
家族で食事をしたり、子どもが遊んでいたり、夜に晩酌したり。
この空間が家の中心になっています。
キッチン
キッチンもこだわった場所の一つです。
毎日使う場所なので、動線や使いやすさは満足度に直結します。
暮らし始めてから、その影響の大きさをより実感しています。
玄関
玄関は家の印象を決める場所です。
家に帰ってきたとき、最初に目に入る空間でもあります。
ここが気に入っていると、帰宅したときの感覚が違います。
書斎
書斎もつくってよかったと思っています。
家の中に一人で集中できる場所があると、生活にメリハリが出ます。
仕事をしたり、ブログを書いたり、考え事をしたり。
小さくても、自分の場所がある価値は大きいです。
家は長く付き合っていく存在
家は買って終わりではありません。
メンテナンスも必要です。
設備もいつか壊れます。
そのたびに手を入れながら暮らしていくことになります。
だから私は、家を単なるモノとは思っていません。
手をかけながら長く付き合っていく存在だと思っています。
それに、この家は子どもたちにとっては実家になります。
大人になっても、たまには帰ろうと思える場所であってほしいです。
そういう意味でも、長く大切にしていきたいと思っています。
マイホームを建てた経緯は別の記事で書いています
今回は、注文住宅の価値について私の考えを書きました。
実際に私がどんな流れでマイホーム購入に至ったのかは、別の記事で体験談としてまとめています。
あわせて読むと、考え方と実体験の両方がつながると思います。
まとめ
注文住宅は、資産性だけで見れば合理的ではないかもしれません。
賃貸や都心マンションの方が有利な場面もあると思います。
それでも、家を暮らしの場所として考えるなら、注文住宅には十分に価値があります。
少なくとも私にとっては、そうでした。
家は資産でもあります。
でも、それだけではありません。
実際に4年間住んでみて、私は注文住宅にして本当によかったと思っています。