家計シミュレーションをやろうと思ったとき、たぶん一番止まるのがここです。
「将来の収入って、どうやって決めたらいいの?」
支出は家計簿で見えてきます。
でも収入は未来の話になると、急にふわっとする。
- 昇給ってどれくらい?
- ボーナスは毎年出るの?減ったら?
- 残業代は当てにしていい?
- 専業主婦(主夫)を続ける?復職する?
- 個人事業主は、来年の売上ってどう置く?
- 老後って年金いくら?
ここが曖昧だと、数字は出ても安心が増えません。
逆に言うと、置き方のコツさえ分かれば、家計シミュレーションは一気に現実になります。
この記事で伝えたいことはこの4つです。
- 収入は気持ち少なめにすると安心が増える
- 収入の予測は意外と簡単(やることが決まってる)
- 年金は調べれば見えて、老後まで考えられて安心
- 定期メンテを前提にすると安心が続く
1. まず結論:家計シミュレーションは「外れても困らない形」を作る道具
家計シミュレーションって、未来を当てるゲームじゃないです。
外れても困らない形を作るための道具です。
だから僕は、最初からこう決めています。
- 収入は少なめ
- 支出は多め
上振れはうれしい。
でも下振れは、普通に家計に効きます。
そして、ここにもうひとつ大事な話があります。
生活水準は、上げるのは簡単だけど、下げるのは本当に難しいということです。
収入を強気に見積もって生活水準を上げてしまうと、
あとから下げるのがしんどい。これが家計が崩れる典型だと思っています。
だから最初から「少なめ」に置いておく。
もし現実が下振れしても耐えられるし、上振れしたら余裕として残る。
この“余裕が残る設計”こそが、安心の正体です。
2. 収入の予測は意外と簡単。まずは「今の収入」を基準にする
未来を考える前に、まずおすすめしたいのがこれです。
「今、自分はいくら稼いでいるか」をはっきりさせること。
- 会社員:源泉徴収票で年収(額面)が分かる
- 個人事業主:確定申告で年間の所得が分かる
今の数字を“基準”として持っておくと、
昇給や賞与、売上の増減を見積もるときに迷いが減ります。
3. 会社員の人:制度を見て年収(額面)を置く
会社員の収入は、会社の制度で決まる部分が大きいです。
なので、やることはシンプルです。
- 昇給:どう上がっていくか
- 賞与:どう決まるか
- 手当:何がどれくらい出るか
制度を完璧に理解する必要はありません。
来年以降の年収がどのくらいのレンジになりそうかが置ければOKです。
変動するものは「平均より少し少なめ」
収入で迷う原因は、だいたいここです。
- 賞与(会社の業績でブレる)
- 残業代(忙しさでブレる)
- 手当(異動などで変わることがある)
ここは“強気に入れない”だけで安心が増えます。
- 残業代などの変動:平均より少し少なめ
- 賞与:見積もった金額の80%くらい
4. 個人事業主の人:まず「過去実績」から置く(安全側に)
個人事業主は、会社の制度みたいな“決まった型”がありません。
だからこそ、置き方はシンプルにします。
- 直近2〜3年の実績(売上・利益・所得)を並べる
- 平均か、いちばん低い年に寄せて 安全側の見込みを置く
- これから伸ばしていく予定があっても、家計シミュレーションでは“強気に置きすぎない”
伸びしろは別で持っておけばOKです。
家計はまず「崩れないライン」を作るほうが安心につながります。
5. 専業主婦(主夫)を続ける?復職する?は「複数パターン」で置く
共働きか、片働きか。復職するか、しないか。
ここは家庭ごとに正解が違います。
だから家計シミュレーションでは、決め打ちにせず、こう置くのがおすすめです。
- パターンA:現状維持(専業のまま)
- パターンB:復職(いつから・どの程度)
- パターンC:時短や扶養内(復職しても抑える)
複数パターンを並べると、夫婦で話し合う材料が増えて判断しやすくなります。
「どれが正解か」より、「どれなら安心できるか」が見えてくるからです。
6. 大事なのは「年収」より「手取り」。最後に“手取り化”する
家計シミュレーションで使う収入は、基本 手取り(実際に使えるお金) です。
でも、制度で出せる金額はだいたい 額面(税・社保が引かれる前) です。
ここで所得税・住民税・社会保険料…を月ごとに全部計算し始めると、一気に大変になります。
なので僕は、もっとシンプルにやっています。
僕のやり方:過去実績から“手取り率”を作る
- 制度や見込みから 未来の年収(額面) を出す(=月給+賞与など)
- 過去の源泉徴収票などを見て、ざっくり 手取り率 を出す
- 未来の年収(額面)×手取り率=未来の手取り(年額) に変換する
例えば、過去数年の 手取り÷年収(額面) を計算してだいたい 0.75(75%) なら、
未来の年収(額面)に 0.75 を掛けて「手取り」として置く。
細かく当てにいかない。だから続きます。
7. 年金は調べれば見える。老後まで見通せると安心が増える
家計シミュレーションは、現役中だけ見ても片手落ちです。
退職後まで見えると、安心感がまったく変わります。
年金は難しく感じますが、やることはシンプルです。
- ねんきん定期便を見る
- できれば、ねんきんネットで見込み額を確認する
- その金額をシミュレーションに入れる
年金を把握して退職後の生活まで考えておくと、安心が増えます。
年金の“手取り率”の目安(ざっくりイメージ)
年金の見込み額は、基本「控除前(税・保険料が引かれる前)」として見ておくのが安全です。
実際の振込では、医療保険料・介護保険料・税などが差し引かれて 控除後の振込額 になります。
一例として、年金が月14万5,000円(控除前) のケースで、
手取り(振込額)が 月13万2,247円(75歳未満)/13万3,484円(75歳以上) という試算が紹介されています。
手取り率にすると、ざっくり 約91〜92% のイメージです。
「ねんきんネットの見込み額の見方」や「夫婦の働き方で年金がどう変わるか」は、別の記事で詳しく解説しています。
→(ここにリンク:ねんきんネットの見方/夫婦のパターン別年金)
8. 児童手当などの給付金は、僕は入れない(安全側に寄せるため)
児童手当などの給付金を家計シミュレーションに入れるかどうか。
ここは家庭の考え方次第です。
僕は、入れませんでした。
理由は、給付は制度や方針で変わる可能性があるからです。
安全側で検討したいなら、「もらえる前提」で組まないほうが家計は崩れにくいと思っています。
ただ、子どもが3人・4人だと児童手当のインパクトは大きいので、
入れたい人は入れていいと思います。大事なのは「自分の方針を決めること」です。
9. 一番大事:定期メンテで“安心が続く家計”になる
収入も年金も、見積もって終わりではありません。
安心が続くのは、定期的に更新する仕組みを持っている家計です。
年に1回で十分です。これだけ見直します。
- 年収は想定どおりだったか(賞与・残業の出方も含めて)
- 働き方や制度に変化はあったか(専業/復職も含めて)
- 個人事業主なら、実績が見込みからズレていないか
- 年金の見込みに変化はあったか
- 手取り率がズレていないか
更新するたびに、シミュレーションが現実に近づくので、安心感が増えます。
このメンテナンスの考え方は、STEP5の記事で詳しく書いています。
→(ここにリンク:STEP5 定期メンテナンス)
10. インフレは「心配しすぎない」けど、方針は持っておく
物価が上がる(インフレ)は、健全な経済成長の中では収入の上昇も伴うのが自然です。
ただ、家計では「収入が同じペースで上がる」と決めつけないほうが安全です。
僕の場合は、インフレに対するリスクは 投資でカバーする方針です。
この考え方はSTEP4の記事でまとめています。
→(ここにリンク:STEP4 長期・分散・積立投資)
インフレを一発で予測して織り込むより、
メンテのタイミングで現実に合わせて更新していく方がラクです。
最後に:収入が置けたら、次は「将来の支出(イベント)」を置く
収入が置けると、家計シミュレーションはかなり現実になります。
でも、もう一段安心を増やすなら次はここです。
「これから先、いつ、何にお金がかかるか」
教育費、車、家のメンテ、旅行、冠婚葬祭…
“なんとなく不安”の正体って、だいたいこの「イベント支出」が見えていないことだったりします。
次の記事では、将来のイベントを洗い出して支出を置く手順をまとめています。
→(ここにリンク:将来イベントを予想して支出を想定する)
まとめ
- 収入は気持ち少なめに置くと、家計シミュレーションが安心につながる
- 会社員は制度で年収(額面)を置ける。変動は控えめに
- 個人事業主は過去実績から安全側に置く
- 専業/復職は複数パターンで検討すると判断しやすい
- 家計に入れるのは“手取り”なので、最後に手取り率で手取り化する
- 年金は調べれば見える。老後まで見通せると安心が増える
- 定期メンテを前提にすると、安心がずっと続く
